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こんにちは、世田谷相続専門税理士事務所です。
小規模宅地等の特例が「小規模」といわれるのは、特例を適用できる宅地の面積が小規模に制限されているからです。特定の適用対象となる宅地の面積を一定の面積までに制限する要件を「限度面積要件」といいます。この限度面積要件が近年、改正となり計算方法が少し複雑になりました。
特例の適用を受けられる宅地が複数ある場合、どの宅地に特例を適用するのかの納税者の判断で選択できます。限度面積要件を満たしながら税金面で有利となる選択を行うためには、この少し複雑な計算方法をきちんと理解しておく必要があります。
本記事では限度面積要件の概要から、特例の適用を受けられる宅地が複数ある場合に、どの宅地を小規模宅地として選択すると税金面で有利となるのか、その判断基準をお伝えしていきます。
この記事の目次
限度面積要件の概要
■ ①限定併用
まず限定併用です。
1. 長男が単位あたりの減額が一番大きな特定居住用宅地等264㎡を選択します。
特定居住用宅地等の264㎡を貸付事業用宅地等の200㎡換算すると160㎡(=264㎡/330㎡✕200㎡)です。この時点で残りの面積は40㎡ですね。
2. 次男の特定事業用宅地の280㎡を貸付事業用宅地等の200㎡換算すると140㎡(=280㎡/400㎡✕200㎡)です。しかし選択できる宅地の面積は残り40㎡です。
したがって次男は特定事業用宅地40㎡を選択します。
■ ②完全併用
つぎに完全併用です。
長男と次男が選択する特定居住用宅地等264㎡と次男の特定事業用宅地の280㎡はそれぞれ限度面積以下です。
そのため長男は特定居住用宅地等264㎡・次男は特定事業用宅地の280㎡を選択します。
■ ③限定併用と完全併用の有利判定
順位2の次男の選択する特定事業用等宅地等が限定併用では80㎡で頭打ちであるのに対して、完全併用ではそのまま280㎡を選択できるため、完全併用が有利ですね。
■ 前提条件
* 長男、特定事業用等宅地等、320㎡、40000千円
* 次男、特定居住用宅地等、132㎡、32000千円
* 三男、貸付事業用宅地等、100㎡、45100千円
(借地割合60%、借地権割合30%の考慮前の自用地価額55000千円)
■ ステップ①:単位あたり減額金額
* 長男、特定事業用等宅地等、(40000千円/320㎡)✕3.20=400(順位3)
* 次男、特定居住用宅地等、(32000千円/132㎡)✕2.64=640(順位1)
* 三男、貸付事業用宅地等、(45100千円/100㎡)✕1.00=451(順位2)
単位あたりの減額金額をもとに順位付けしたのが上記のとおりです。
■ ステップ②:限定併用と完全併用の有利判定
本ケースの場合では単位あたり減額金額と面積だけでは、限定併用と完全併用のどちらが有利か判断できません。
上表を確認すると、完全併用だと金額単位あたりの減額金額の大きい順で1番目と3番目が選ばれます。
また順位3の長男の特定事業用等宅地等は、限定併用だと40㎡の選択ですが、完全併用だと320㎡です。
単位あたり減額金額と面積だけでは、限定併用と完全併用のどちらが有利か判断が難しいので、このようなケースでは限定併用と完全併用の減額総額を出してみて有利な方を選択します。
■ ①限定併用を選択した場合の減額金額
* 長男、特定事業用等宅地等、40000千円✕(40㎡/320㎡)✕80%=4000千円
* 次男、特定居住用宅地等、32000千円✕(132㎡/132㎡)✕80%=25600千円
* 三男、貸付事業用宅地等、45100千円✕(100㎡/100㎡)✕50%=22500千円
計 52150千円
■ ②完全併用を選択した場合の減額金額
* 長男、特定事業用等宅地等、40000千円✕(320㎡/320㎡)✕80%=32000千円
* 次男、特定居住用宅地等、32000千円(132㎡/132㎡)✕80%=25600千円
計 57600千円
■ ③限定併用と完全併用の有利判定
①限定併用 52150千円 <②完全併用 57600千円
∴ ②完全併用 57600千円の適用が有利
完全併用の減額金額の方が限定併用よりも大きいので、完全併用を適用するの方が有利と判断できます。
■ (参考)小規模宅地等の特例を適用した後の価額
参考まで具体例④の小規模宅地等の特例を適用した後の各宅地の価額を載せておきます。
* 長男、特定事業用等宅地等、40000千円ー32000千円=8000千円
* 次男、特定居住用宅地等、32000千円ー25600千円=6400千円
* 三男、貸付事業用宅地等、45100千円
被相続人と相続人が居住の用に供している建物とその敷地を共有している場合、小規模宅地等の特例が適用される面積は以下の算式によります。
適用面積=敷地全体の面積×被相続人の持分
敷地全体の面積ではなく、被相続人の持分に応じた面積であるところがポイントです。
たとえば被相続人と配偶者が、同居していた家屋とその敷地200㎡を1/2ずつ所有していたとします。この場合の適用面積は、敷地全体の面積200㎡ではなく、敷地全体の面積200㎡に被相続人の持分1/2を乗じた100㎡です。
選択特定居住用宅地等に該当する場合の限度面積は330㎡です。本ケースでは被相続人の持分の100㎡は限度面積の330㎡以下ですので、被相続人の持分の100㎡が特定居住用宅地等として選択できる限度面積となります。
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