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具体的に見る!小規模宅地等の特例で同居の要件を満たす事例

「同居の要件」ってややこしい?小規模宅地の特例について解説

こんにちは世田谷相続専門税理士事務所です。

 

同居親族が特定居住用宅地等として小規模宅地等の特例を利用する場合には、一定の要件を満たす必要があります。では、小規模宅地等の特例における同居とは具体的にどのような状況を指すのでしょうか。この記事では、同居に必要な条件や重要なポイントを、事例を交えて説明していきます。

この記事の目次 

  • 同居親族とは
    同居とは
    ①単身赴任中の相続
    ②相続後の海外転勤
    ③介護目的の同居
    ④住民票のみ
    ⑤老人ホーム
    ⑥二世帯住宅
    家なき子特例における同居親族
    看病目的の同居
    家なき子特例の二世帯住宅
    同居親族と認められる同居期間
    同居親族を証明する書類

同居親族とは

 

「同居の要件」ってややこしい?小規模宅地の特例について解説

同居親族は、被相続人とに起居していた親族のことを指します。同居親族が、被相続人の居住用地を受け継ぐ場合に、小規模宅地等の特例が適用される要件には、以下のものがあります。

 

  • ①同居親族の要件:親族が相続開始直前に、被相続人の居住用宅地にある家屋に居住していた人であること
  • ②所有継続要件:相続開始時から申告期限まで引き続き、その宅地を保有していたこと
  • ③居住継続要件:その家屋に引き続き居住していること
 

同居とは

 

親族が、被相続人と同居していたかどうかを判断する際、実務上は以下の基準に従って解釈されることが一般的です。

 

①家屋を生活の基盤そのものとしていたといえるか、言い換えれば、当該家屋に生活の拠点を置いていたといえるか否か 

 

②具体的には、

・その者の日常生活の状況

・その建物への入居の目的

・その建物の構造及び設備の状況並びに

・生活の拠点となるべき他の建物の有無その他の事実を総合勘案


異なる税法ですが、下記の「居住用家屋の範囲」に関する所得税に関する法令解釈通達等も、小規模宅地等の特例において同居を判断するための参考になるものと考えられます。

 

同居とは

 

例えば、相続開始直前に親族が被相続人と同居してなくても、親族が、転勤や転地治療などの理由で被相続人と離れていた場合、その親族は同居親族としてみなされる可能性があります。(上記(1)の部分より)。

 

一方、相続開始直前に、親族が、被相続人と同居していてもその親族が仮の住まいとして自身の家屋の建て替え期間中に住んでいたり、被相続人を介護するための一時的に滞在していたりした場合、同居親族とはみなされないと考えられます(上記イの部分より)。

 

ただし、(注)にあるように同居期間が短期間であっても、入居目的が一時的でない場合は、同居親族とみなされる可能性があります。一時的な入居かどうかを判断する場合、居住期間だけでなく、入居目的も考慮する必要があります。

 

同居親族に該当するか事例を見ていきましょう。

 

①単身赴任中の相続

 

①単身赴任中の相続

長男が、父が所有していた土地と建物を相続しました。長男は、父と同居していましたが、相続が始まる前に会社の命令で地方の支店に単身赴任していました。相続開始時点では父と同居していませんでした。長男の妻は、父の家に引き続き住んでいます。

 

長男は、相続した宅地に同居親族として小規模宅地等の特例を適用できるのでしょうか。

 

【判定】

適用できるものと考えられます。

 

長男が相続した土地と建物が、相続人たちの生活の基盤を維持するために不可欠なものかどうかを判断することになります。そのためには、長男や長男の妻の日々の生活状況、その家に住む理由、家の構造や設備などを総合的に考慮して、長男の生活の拠点となっている家かどうかを判断します。

 

長男が、父が居住する家に一時的に住めなかった理由は、転勤のやむを得ない事情からです。長男の転勤後も長男の妻がその家に住み続けているため、父の家は長男の生活の拠点に準じたものと考えられます。長男は父の同居親族であり、父から相続した土地に小規模宅地等の特例が適用されるといえます。

 

単身赴任中の相続人が取得した被相続人の居住用宅地等についての小規模宅地等の特例|国税庁

 

②相続後の海外転勤

 

②相続の発生後の海外転勤

父の相続により長男がこの土地と建物を受け継ぎました。配偶者は引き続き居住していますが、長男は、相続税の申告期限(相続発生後10ヶ月)までに海外に転勤しています。長男は、相続した宅地に同居親族として小規模宅地等の特例を適用できるのでしょうか。

 

【判定】

適用できないものと考えられます。

 

相続開始時から相続税の申告期限まで、長男は、その家に居住しているという居住継続要件を満たしていないため、本特例は適用されないと思われます。

 

相続税の申告期限までに海外支店に転勤する場合については、国税庁のホームページも参照してください。

特定居住用宅地等の要件の一つである「相続開始時から申告期限まで引き続き当該建物に居住していること」の意義|国税庁

 

③介護目的の同居

 

③介護のための同居

 

父が住んでいた家と敷地を長男が相続しました。長男は、父が亡くなる1年前から、父の介護のために一緒に住んでいました。長男の妻は、以前から長男の自宅に住んでいます。長男は父の相続後も父の生前の家にすみ続けています。長男は、相続した宅地に同居親族として小規模宅地等の特例を適用できるのでしょうか。

 

【判定】

適用できないものと考えられます。

 

相続開始直前、長男は父と同居していましたが、介護目的の一時的なものであり、長男の生活の拠点は、あくまで長男自身の家であったと考えられます。したがって、長男が父から相続した土地に対して小規模宅地等の特例を使えるものではないと考えられます。

 

④住民票のみ

 

④住民票のみ

 

父が住んでいた家と土地を長男が相続しました。ただ、相続開始直前、長男は父が住んでいた家には住んでおらず、別の賃貸マンションに住んでいました。住民票には長男の住所が相続開始前から父の家の住所になっていました。長男が相続した宅地に同居親族として小規模宅地等の特例を適用できるのでしょうか。

 

【判定】

適用できないものと考えられます。

 

本事例の場合、長男の住民票上の住所と父の住所は同じですが、長男が実際に住んでいたのは賃貸マンションのため、長男の「生活の拠点」は賃貸マンションにあったと考えられます。長男は父と同居していた親族とは見なされず、長男が相続した土地に対して小規模宅地等の特例を適用することはできません。

 

税務調査がある場合、生活の拠点がどこにあったかどうかは、相続開始前後の水道光熱費の使用量の変化や郵便物の送付先などの情報から調べられます。同居親族を作り上げようとして、被相続人と住民票の住所だけ一緒にしていても、実際に居住していない場合、ばれる可能性は高いと思われますので、注意が必要です。

 

⑤老人ホーム

 

⑤老人ホーム

 

父と長男は以前、一緒に住んでいましたが、父が老人ホームに入居してから、相続開始直前まで別々の場所に住んでいました。この場合、長男は父の同居親族とみなされ、相続した宅地に対し、小規模宅地等の特例が適用されるのでしょうか。

 

【判定】

適用できるものと考えられます。

 

被相続人が老人ホームに入居し、相続開始時に被相続人の居住に使用しなくなった土地についても、一定の条件を満たしている場合、特例が適用されます。この場合、被相続人の生前に被相続人と同居していた長男は同居親族に該当します。そのため、長男が被相続人の居住用土地を取得した場合、小規模宅地等の特例が適用されます。

 

⑥二世帯住宅

 

⑥二世帯住宅

 

父が所有する二世帯住宅の1階には父が住んでおり、2階には長男家族が住んでいます。父が死亡し、長男が敷地全体を相続して居住用に利用しています。長男が相続した宅地に同居親族として小規模宅地等の特例を適用できるのでしょうか。

 

【判定】

適用できるものと考えられます。

 

建物に区分所有登記がない場合、被相続人と親族がそれぞれ独立部分に住んでいた場合でも、親族は同居しているものと扱われます。この事例では、1階に父が住んでおり、2階に長男が住んでいましたが、長男も父の同居親族として扱われます。そのため、長男は被相続人から相続した土地全体に小規模宅地等の特例を適用できます。

 
⑥二世帯住宅

 

被相続人が居住する建物に区分所有登記がある場合、被相続人と親族がそれぞれ独立部分に居住していた場合、被相続人が居住していた部分に同居していた親族のみが同居親族として扱われます。例えば、被相続人が居住していた1階に同居していた親族のみが同居親族となります。

 

詳細については、小規模宅地等の特例に関する二世帯住宅の記事を参照してください。

二世帯住宅にも使える!小規模宅地の特例を13ケースで解説

 

家なき子特例における同居親族

 

家なき子特例における同居親族

No.4124 相続した事業の用や居住の用の宅地等の価額の特例(小規模宅地等の特例)|国税庁

 

家なき子特例は、持ち家を所有していないなどの一定の要件を満たした場合に、別居親族が取得した特定居住用宅地等に対して課税価額の評価減を受けることができる制度です。家なき子特例を利用する場合も、同居している親族のことを考慮する必要があります。

 

家なき子特例は、相続開始直前に被相続人と同居していた親族がいない場合に適用されます。なお、この親族は、被相続人の法定相続人に限られています。上表の(3)にはこの内容が記載されています。

 

一つの事例で確認しましょう。

 

看病目的の同居

 

看病のための同居

 

父が住んでいた家と土地を長男が相続しました。父は相続開始の1年前までは一人で生活していましたが、体調を崩したため、長男が同居し看病することになりました。父が亡くなるまで父と長男は同居していました。父の相続が発生し、長男は賃貸マンションに戻り、そこで暮らしています。長男が取得した宅地等について、相続開始直前に被相続人と同居していた親族がいない場合として、家なき子特例を適用できるでしょうか。

 

【判定】

長男は、被相続人の同居親族に当たらず、特例を適用できるものと考えられます。

 

本事例では、長男の父が所有する家に住んでいたとしても、真に居住の意思をもってその家に住んでいたかどうかを判断するのは難しく、父が療養中に限り、父の家に住んでいたと認めるのが適切です。したがって、相続開始直前に父の家で同居していた親族には該当しないと考えられます。そのため、長男が取得した宅地について、他の要件も満たしている場合、家なき子特例を適用できると思われます。

 

家なき子特例の二世帯住宅

 

家なき子特例の二世帯住宅

 

家なき子特例では、建物に構造上区分された2つの独立部分がある場合、被相続人と親族がそれぞれの部分に住んでいたかどうかで同居親族の判定が行われます。建物の区分所有登記の有無は関係ありません。

図に示されているように、二世帯住宅の1階で父と一緒に済んでいない長男は、被相続人の同居親族には含まれず、別居親族になります。

 

前述の二世帯住宅に関する説明では、区分所有登記のない場合、二世帯住宅の1階で父と一緒に住んでいない長男も被相続人の同居親族として扱われることをお伝えしました。しかし、家なき子特例では別居親族として扱われるため、扱いが異なることに注意が必要です。

 

同居親族と認められる同居期間

 

相続人の死亡後の同居期間は、相続税の申告期限(死亡後10ヶ月)までの期間内に限られますが、相続人が亡くなる前の同居期間には規定がありません。例えば、相続人が亡くなる前の1週間前から同居を始めた場合でも、一時的な入居目的ではないと判断されれば、その相続人は同居親族として認められます。

 

ただし相続税の小規模宅地等の特例を利用するために、被相続人が亡くなる直前に同居を始めた場合、同居親族とはみなされないことがあります。

 

同居親族を証明する書類

 

一般的には、同居親族であったことを証明するため、相続税の申告書に以下の証憑を添付します。

 

  1. 被相続人の住民票

  2. 同居親族の住民票

  3. 同居親族の戸籍の附票

  4. 住民票と実態が異なっている場合、その異なる事由の説明と立証する書類

 

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