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こんにちは世田谷相続専門税理士事務所です。
相続財産を減らそうと贈与をしたけど、相続開始直前の贈与で相続税が課税されることとなった。
被相続人の亡くなる直前に相続税を減らすために駆け込みで贈与を行っても、相続開始前3年以内の贈与は相続財産に加えられることとなり相続税が課されます。この相続税の課税を回避する行為を防ぐための規定が生前贈与加算です。
本記事では、生前贈与加算の基礎的な内容を一通りお伝えします。
相続開始前3年以内の贈与財産のすべてが相続財産に加算されるわけではありません。相続開始の前に贈与を行った方は、その贈与財産が生前贈与加算の対象となるのかどうか、本記事で確認してみてください。
この記事の目次
相続開始前3年以内の生前贈与加算とは
相続または遺贈により財産を取得した人が、相続開始前3年以内に被相続人から贈与により財産を取得したことがあるときは、その贈与により取得した財産を相続税の課税価格に加算した価額を相続税の課税価額とみなします。
相続開始前の贈与は、相続税の課税を回避することを目的に行われることが多くあります。そのため比較的、相続開始の時期に近い相続開始直前3年以内に被相続人から贈与を受けた財産は、相続財産に加算され相続税が課されることとなります。
No.4161 贈与財産の加算と税額控除(暦年課税)|国税庁
生前贈与加算の基本
相続開始前3年以内の生前贈与加算の基本をお伝えします。
生前贈与加算される対象者は、相続または遺贈により財産を取得した人です。
逆をいえば、被相続人から相続または遺贈により財産を取得していなければ、相続開始前3年以内に被相続人から贈与を受けた人でも、贈与財産を相続税の課税価格に加算する必要はありません。
(注意点)
生前贈与加算される財産は、相続開始前3年以内のその相続にかかる被相続人からの贈与財産です。ただし贈与税の非課税財産を除きます。
(注意点)
対象期間は、相続開始前3年以内です。具体的にいつからかは相続開始日からさかのぼって3年目の応当日から、その相続開始の日までの間です。
基通19-2 相続開始前3年以内の贈与
たとえば上図でいえば、相続発生日の令和4年10月25日からさかのぼって3年目の応答日の令和元年10月25日から、その相続開始日の令和4年10月25日までの間です。
贈与により取得した財産の贈与時の価額を相続税の課税価格に加算した価額をもって相続税の課税価格とみなします。
相続財産に加えられた贈与財産には、すでに贈与税が課税されています。贈与財産が相続税の課税価格とみなされて相続税が課されると、同じ財産に相続税と贈与税が二重に課されることとなります。
しかし相続税と贈与税の二重課税を排除するために、贈与税額控除といわれる規定が設けられています。加算された贈与財産について課税された贈与税の額が、加算された人の相続税の計算上、控除されます。
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被相続人から贈与税の基礎控除110万円を超える贈与を受けたにも関わらず、その翌年に贈与税の申告をしていなかった場合でも、生前贈与加算の適用となります。贈与税を申告しているか、していないかは生前贈与加算の適用に関係ありません。
相続開始前3年以内の生前贈与加算の具体例を見ていきましょう。
前提条件
親族図表は以下のとおりです。
生前贈与加算される贈与財産の価額は、下表の○印を付した箇所の金額です。
①の配偶者が被相続人から贈与を受けた有価証券3,000千円は、相続開始前3年以内の贈与ではないため、加算の対象となりません。相続開始前3年以内は平成30年5月22日から相続開始日までの期間ですね。
③の知人が被相続人から贈与を受けた現金3,000千円は、相続または遺贈により贈与を取得していないため、生前贈与加算の適用はありません。
④の二男は相続を放棄していますが、被相続人から遺贈により財産を取得していますので、被相続人から贈与を受けた現金3,000千円は、加算の対象となります。
⑦の配偶者が被相続人から贈与を受けた現金2,000千円は、相続開始年分の贈与です。相続開始年分の贈与は贈与税が非課税ですが、例外的に加算の対象となります。
加算する財産の例を見ていきましょう。
被相続人からの相続開始前3年以内に受けた贈与財産は、生前贈与加算の適用となります。3年以内贈与であれば贈与税が課されていた、課されていなかったかは関係なく加算されます。したがって贈与金額が贈与税の基礎控除の110万円以下の贈与で贈与税が課されておらず贈与税申告していなかったものも、基礎控除の控除前の贈与金額で加算します。
なお納付した贈与税がない場合、相続税から控除する贈与税(贈与税額控除)はありません。
相続開始の年に贈与により取得した財産は、対象財産に含まれます。
相続開始の年に被相続人から贈与により取得した財産は、贈与税は非課税であるものの、例外により生前贈与加算の対象に含まれます。
相続開始前3年以内の被相続人からの贈与財産でも、相続税の課税価格に加算しないものの例をみていきましょう。
以下の贈与税の非課税財産は対象財産から除かれます(相続税法21の3①一~六、相続税法21の4)
加算する財産は、取得した年の贈与税の課税価格の計算に基礎に含められるものに限られます(贈与税の配偶者控除により控除された部分や相続時精算課税適用財産を除く)。
贈与税の非課税財産は、取得した年の贈与税の課税価格の計算の基礎に含められるものではないため、加算の対象から除かれます。
なお前の項目でお伝えした「その①:相続開始前3年以内の贈与財産」は、贈与税は非課税であるものの、例外により生前贈与加算の対象に含まれます。
贈与税の配偶者控除(おしどり贈与)の適用を受けている、または受けようとしている財産のうち、配偶者控除に相当する金額(特定贈与財産)は加算する必要はありません。
たとえば相続開始前3年以内に配偶者が被相続人から居住用不動産または金銭3,000万円の贈与を受けるときに、贈与税の配偶者控除の特例を使ったとします。
贈与財産3,000万円のうち贈与税の配偶者控除の適用により控除された2,000万円は加算されず、2,000万円を超える部分の1,000万円が加算の対象となります。
直系尊属から贈与を受けた住宅取得等資金のうち、非課税の適用を受けた金額は加算する必要はありません。
直系尊属から一括贈与を受けた教育資金のうち、非課税の適用を受けた金額は加算する必要はありません。
ただし贈与者の相続開始前3年以内の贈与について、平成31年4月1日以降に贈与者の被相続人が亡くなったとき、一定の場合を除き、使い切らなかった残額を相続税の課税価格に加算して申告しなければなりません。
直系尊属から一括贈与を受けた結婚・子育て資金のうち、非課税の適用を受けた金額は加算する必要はありません。
ただし贈与者の被相続人が亡くなったとき、相続開始3年内の贈与にかかわらず使い切らなかった残額を相続税の課税価格に加算して申告しなければなりません。
相続時精算課税にかかる贈与財産も、相続時精算課税の贈与者が亡くなった場合、相続税の課税価格に加算します。しかし暦年贈与の生前贈与加算としては加算しません。
相続時精算課税にかかる贈与によって取得した財産は、相続時精算課税を選択した年以後の贈与について、すべて相続税の課税価格に加算します。
相続開始前3年以内に行われた贈与だけでなく、3年を超えて前に行われた贈与にかかる財産も相続財産に加算することが生前贈与加算と違います。
生前贈与加算の対象となる人、ならない人の例を挙げていきます。
相続を放棄した人でも被相続人から遺贈により財産を取得していた場合、加算の対象となります。一方で被相続人から遺贈により財産を取得していない、加算の対象となりません。相続を放棄したかどうかは生前贈与加算の適用に関係しません。相続だけでなく遺贈も放棄することにより、相続または遺贈により財産を取得しなかった場合も、贈与財産の加算の規定の適用はありません。
基通19-3 相続の放棄等をした者が当該相続の開始前3年以内に贈与を受けた財産
相続人以外の人でも、被相続人から遺贈により財産を取得した場合は、加算の対象となります。相続人か相続人以外かは問いません。なお被相続人から遺贈により財産を取得しなかった場合、贈与を受けていても加算の対象となりません。
生命保険金や死亡保険金などのみなし相続財産のみを取得した人は、被相続人から相続または遺贈により財産を取得していなくても、加算の対象となります。生命保険金や死亡保険金などの非課税枠を使って純資産価額がゼロとなったとしても対象です。
生命保険金や死亡保険金などは本来の相続財産ではないですが、実質的には本来の相続財産と同じような経済的価値があると認められるため、相続または遺贈により取得したものとみなされます。
孫は、被相続人から相続または遺贈により財産を取得していた場合、生前贈与加算の対象者です。一方で被相続人から相続または遺贈により財産を取得していない場合、加算の対象となりません。
たとえば以下の孫が生前贈与加算の対象者です。
相続時精算課税適用者は、被相続人から相続または遺贈により財産を取得していなくても、生前贈与加算の対象となる場合があります。
相続開始前3年以内、かつ相続時精算課税の適用前に暦年贈与があった場合、その贈与は、生前贈与加算の対象となります。
上図のように、被相続人の相続開始前3年以内の2年前に暦年贈与を受け、その後の相続時精算課税による贈与を受けていた場合、相続時精算課税による贈与に加えて暦年贈与にかかる贈与財産も、生前贈与加算の対象となります。
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