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こんにちは世田谷相続専門税理士事務所です。
小規模宅地等の特例は、基本的に被相続人が相続開始直前にその土地の上の家屋に住んでいることが必要です。しかし自宅での生活が難しく老人ホーム等に転居した後に亡くなるケースも増えています。このような事情を配慮して、相続開始直前に被相続人が自宅ではなく老人ホームに居住していても、一定の要件を満たせば小規模宅地等の特例を適用できることになっています。
本記事では一定の要件と事例をお伝えします。
この記事の目次
老人ホーム入所後の小規模宅地等の特例
老人ホームにかかる小規模宅地等の特例の要件は、3つあります。
被相続人は相続開始直前に要介護認定、要支援認定または障害者支援区分の認定を受けていること。
被相続人が、要介護認定、要支援認定または障害者支援区分を受けていたかどうかは、被相続人の相続開始直前にその認定を受けていたかどうかにより判定します。老人ホーム等への入居等の前に認定を受けている必要はありません。
措置法通達 69の4-7の3 [要介護認定等の判定時期]
被相続人が老人ホームに入所後、要介護認定を申請中に亡くなった場合、相続の開始後に被相続人に要介護認定があったときには、要介護認定を受けていた被相続人に該当するものと考えられます。その理由は、下記のリンク先を参照ください。
[老人ホームに入所していた被相続人が要介護認定の申請中に死亡した場合の小規模宅地等の特例|国税庁]
要介護または要支援の認定を受けていなくても、厚生労働省の「基本チェックリスト」の該当者についても、要介護認定、要支援認定を受けた人と同じように、本特例の対象です。
基本チェックリストは、総合事業の利用を希望する65歳以上の高齢者を対象に、心身の機能で衰えているところがないかを確認するためのチェックリストです。
基本チェックリストは、下記の世田谷区のホームページを参照してみてください。
基本チェックリストを活用して健康状態をチェックしてみましょう
被相続人が入所していた老人ホーム等の施設が適格認定施設であること。
下記の住居又は施設に入居していたことが要件です。
認知症対応型老人共同生活援助事業が行われる住居(認知症高齢者グループホーム)(老人福祉法第5条の2第6項)
養護老人ホーム(老人福祉法第20条の4)
特別養護老人ホーム(老人福祉法第20条の5)
軽費老人ホーム(老人福祉法第20条の6)
有料老人ホーム(老人福祉法第29条第1項)
介護老人保健施設(介護保険法第8条第28項)
介護医療院(介護保険法第8条第29項)
サービス付き高齢者向け住宅(上記の有料老人ホームを除く、高齢者の居住の安定確保に関する法律第5条第1項)
障害者支援施設・共同生活援助を行う住居(障害者総合支援法第5条第11項15項)
小規模宅地等の特例を適用できるかどうかの判断においては、その施設が適格認定施設か否かの確認が必要です。
被相続人が老人ホーム等に入所した後に、空家にしている建物を事業や賃貸に供していないこと、また生計一親族以外の人の居住の用に供していないこと(同一生計親族については問題ありません)。
被相続人が老人ホームに入居した後に、空き家となった自宅を有効活用しようと、事業に使用したり貸し付けたりすると、その敷地は特定居住用宅地等としての特例を使えなくなってしまいます。
また被相続人が老人ホームに入居後、被相続人と生計一親族以外の人(たとえば生計別の子)が、有償やタダかを問わずに新たにその自宅に移り住んだ場合も特例の適用はありません。
特定居住用宅地等として特例を使えなくなっても、相続開始の3年以上前から家屋を賃貸していた場合、貸付事業用宅地等の要件を満たすと、小規模宅地等の特例の適用を受けられます。ただし貸付事業用宅地等として特例の適用を受ける場合、特定居住用宅地等として受けるよりも、限度面積や減額割合の関係から税金面では不利となりますので、家屋の有効活用を対策する際は、この点も踏まえて検討する必要があります。
特定居住用宅地等:限度面積330㎡、減額割合80% : 減額面積・割合大
特定貸付事業用宅地等:限度面積200㎡、減額割合50% : 減額面積・割合小
3つの要件を満たすだけでは被相続人の居住用宅地等が、特定居住用宅地等に当たるわけではありません。宅地等を取得する人の要件である取得者も満たす必要があります。
被相続人の居住用宅地等に小規模宅地等の特例の適用を受けるための取得者要件を満たす場合とは、次のいずれかの場合です。
①配偶者が宅地を取得
②同居親族が宅地を取得し、居住要件と所有要件を満たす
③別居親族が家なき子の要件を満たす
自宅の状況と取得者との関係から特例の適用可否を整理すると以下のとおりです。
被相続人が老人ホームに入所し、自宅は配偶者が居住していた場合で、配偶者が土地・家屋を取得したケースです。
相続開始直前に被相続人が居住の用に供していなかった宅地でも、前述の3要件を満たすときは、その宅地は、特例の適用を受けられる前提である被相続人等の居住の用に供されていた宅地等に当たります。
また取得者が特定居住用の要件を満たす必要があります。配偶者は、上表のとおり取得者の要件が設けられていないため、本ケースの場合、特例の適用を受けられます。
被相続人と配偶者が老人ホームに入所し、相続開始時に自宅は空き家となっていた場合で、配偶者が土地・家屋を取得したケースです。
ケース①と考え方は変わりません。配偶者に取得者の要件はありませんので、特例を適用できます。
被相続人と配偶者が老人ホームに入所し、自宅は引き続き同居親族(生計一)が居住し、同居親族(生計一)が土地・家屋を取得したケースです。
この場合、上表のとおり同居親族(生計一)が所有継続や居住継続の同居親族の要件を満たすと特例を使えます。また同居親族(生計一)のため、被相続人の居住用宅地等としてだけでなく、生計一の居住用宅地等としても、特定居住用宅地等に該当してきます。
被相続人と配偶者が老人ホームに入所し、自宅は同居親族(生計別)が居住し、同居親族(生計別)が土地・家屋を取得したケースです。
被相続人が老人ホームに入所する前から、あるいは入所したことによって、被相続人と生計別の親族となってしまった親族も、被相続人と老人ホームに入居の直前に生計を一としていた親族として、特例の適用対象者となります。同居親族(生計別)が、同居親族の取得者要件を満たした場合、小規模宅地等の特例を利用できます。
被相続人と配偶者が老人ホームに入所し、相続開始直前に自宅が空き家となっていた場合で、別居親族が土地・家屋を取得したケースです。
別居親族が取得する場合、上記のいわゆる家なき子の取得者要件を満たせば、特例の適用を受けられます。家なき子特例は、「(2)被相続人に配偶者がいないこと。」とあるように、配偶者がすでに死亡している二次相続が前提のため、本ケースでは配偶者が健在であり一次相続のため適用はありません。
配偶者のいない被相続人が老人ホームに入所した後も、相続開始直前に自宅は同居親族(生計一)が居住しており、同居親族(生計一)が土地・家屋を取得したケースです。同居親族の取得者の要件を満たすと、被相続人の居住用宅地等は、特定居住用宅地等に当たります。また同居親族(生計一)は、相続開始直前に被相続人と生計一のため、生計一親族の居住用宅地等としても、特定居住用宅地等に該当します。
配偶者のいない被相続人が老人ホームに入所し、相続開始直前に自宅は同居親族(生計別)が居住、同居親族(生計別)が土地・家屋を取得したケースです。
同居親族(生計別)が、同居親族の取得者の要件を満たすと、被相続人の居住用宅地等は、特例の適用を受けられます。
配偶者のいない被相続人が老人ホームに入所し、相続開始直前に自宅は空き家だった場合で、別居親族が土地・家屋を取得したケースです。配偶者はすでに死亡しているとします。
別居親族が家なき子の要件を満たした場合、別居親族が取得した被相続人の居住用宅地等に特例を適用できます。ケース⑤との違いは一次相続か二次相続かです。
上記で見てきたように被相続人が老人ホーム等への入所により空き家となっていた自宅の土地に、特定居住用宅地等として特例を適用できるケースは、被相続人と配偶者が、ともに老人ホーム等に入居しており空き家の自宅を配偶者が取得する場合、もしくは、すでに配偶者が亡くなっており、家なき子が取得する場合に限られます。
被相続人が老人ホームに入所した後、親族が被相続人の自宅に引っ越してきた場合、その親族が被相続人と生計一親族か生計別親族かで、特例の取り扱いが変わります。その親族が被相続人と生計一親族であれば特例の適用を受けられる一方で、生計別親族の場合、適用できません。
前述の要件③の内容です。
『被相続人が老人ホーム等に入所した後に、空家にしている建物を事業や賃貸に供していないこと、また生計一親族以外の人の居住の用に供していないこと(同一生計親族については問題ありません)。』
これは小規模宅地等の特例の対象となる居住用の宅地は、「被相続人等の居住用の宅地等」であることが条件です。しかし被相続人が老人ホームに入居した後、その敷地が事業の用や、被相続人や生計一親族以外の者の居住の用に供された場合、その敷地は「被相続人等の居住用宅地等」とされないとされているからです。
そのため、たとえば上図のように被相続人が被相続人が老人ホームに入所後、自宅の敷地があらたに被相続人と生計を別にする親族の居住の用に供された場合、その敷地は特例の対象とはなりません。
被相続人が老人ホームに入所し、相続開始直前に自宅の1階が空室、2階に生計別親族が居住していた場合で、生計別親族が土地・家屋を取得したケースです。
区分所有建物でない一棟の建物の敷地に被相続人が住んでいた場合、被相続人の居住用宅地等の範囲には、被相続人の親族に居住の用に供されていた部分も含まれます。親族は、被相続人と生計一か生計別であるかを問いません。本ケースでは、生計別親族が土地・家屋を取得しているため、敷地全体に小規模宅地等の特例を適用できます。
老人ホーム等に入居していたなどの理由により、被相続人が相続直前に自宅を空き家にしていたその宅地に特例を適用する場合、相続税申告書への添付書類に加えて、以下の書類を提出します。
現在は逝去後の相続税申告のサービスのみ受け付けです。生前対策のご相談は行っていません。
受付時間 平日10:00〜20:00 / 土曜10:00〜18:00
※ ご自身で申告を考えている方で、内容の確認だけを目的とした相談はご遠慮ください。またホームページに掲載している記事に関する質問については、ご遠慮しています。
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